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米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

  • 作成言語: 韓国語
  • 基準国家: すべての国家country-flag
  • 経済

作成: 2024-10-23

作成: 2024-10-23 18:53

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)


昨年までは、アメリカの経済指標が強すぎる一方、高い物価指数が示すインフレ率が経済学者たちの最大の懸念事項でしたが、今年に入ってからは、依然としてアメリカだけが経済的に強いとは言われているものの、一部の指標では弱含みの動きも見られ、景気後退懸念が時折出ている点が少し異なるようです。

発表されるアメリカの経済指標の中でも、竜の骨のようにずっと強く出ているものもあれば、すぐに景気後退に陥りそうなものもあり、市場を揺さぶる面があります。いくつかの主要経済指標の推移チャートを見ながら、少し考えてみましょう。

以下は、アメリカの経済規模全体を示す実質GDPの推移を示しています。代表的な指標ですが、四半期ごとの指標であるため、当該時点よりも遅れて発表されるため、月次指標と比べると市場への影響力は思ったよりも低い傾向にあります。点線で併記しているのは、前年同期比(YoY%, 右側縦軸)の増減率推移です。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

実質GDP推移と前年比推移


この実質GDP推移を見ると、コロナ危機時に大きく落ち込んだ後、連邦政府とFRBによる大規模な金融緩和策によって回復し、2021年後半頃からコロナ以前の成長トレンドに復帰し、現在までその角度を維持しています。

コロナ以前のトレンド角度をそのまま維持していることから、バイデン政権が、ある意味では無理をしてでも、そのトレンドを維持しようとしていたという印象が強くあります。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

実質GDP


無理をしてでも以前の実質GDP成長トレンドを維持しようとしたのであれば、他の部分の犠牲もあっただろうと予想される点ですが、以下は名目GDPに対する政府(連邦および州政府)の支出の割合、そして前四半期比でGDPの何%程度政府債務が増加していたかを簡単に見たチャートです。

GDP全体に対する政府支出の割合を見ると、2010年代半ば以降、コロナ危機直後の大規模な金融緩和期を除けば、約35%の割合で着実に推移しています。

そして、下側の四半期ごとの支出割合を見ると、2008年の世界金融危機以降、以前よりも四半期ごとの政府債務の増加率が上昇した以降、コロナ危機を乗り越えても着実にその程度を維持しているのが分かります。おそらく、依然として維持されているこの政府債務の増加による支出規模の維持が、上記の実質GDPが成長トレンドの角度を着実に維持している大きな理由を占めていると考えられます。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

名目GDPに対する連邦+州政府支出比率、名目GDPに対する前四半期比政府債務増加分比率


一方、以下は、アメリカの代表的な消費関連の2大指標である個人消費支出(PCE)と小売売上高を物価を反映した実質で推移を見たチャートです。

最近のYoY推移を見ると、PCEはコロナ直前の水準の成長率に収束しつつあり、堅調な推移を見せている一方、小売売上高は水準は過去最高だが、成長率ベースでは停滞しており、鈍化の兆候が見られます。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

実質個人消費支出(PCE)推移と前年比推移

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実質小売売上高推移


しかし、これらのチャートをコロナ以前からの成長トレンドの延長線上で見ると、少し違って見えます。

下のチャートを見ると、個人消費支出も小売売上高も、コロナ以前の期間の成長トレンドを延長線で見てみると、現在時点あたりで交わる時点上の結果として、ほぼ同じ水準になります。ただし、小売売上高だけが2021年頃の報復消費期に個人消費支出よりも過剰に捉えられた部分があるのか、大きく跳ね上がり、先行反映された部分のためか、しばらく停滞している流れのようです。

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実質個人消費支出(PCE)推移

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実質小売売上高推移


そして、以下は雇用関連の指標です。

まず、下のチャートは、企業調査(給与名簿調査)による非農業雇用の推移を示しています。コロナ後、非常に強い回復を継続し、コロナ以前の増加ペースにほぼ追いつき、現在はコロナ直前の水準の年間ペースに近づいています。それでも、高金利が続いたことを考えると、依然として強い流れに見えます。

この指標が雇用指標のヘッドラインとして継続して強く出ている理由として指摘されてきたものとしては、不法移民の流入による効果、そして1人が複数の職業(マルチジョブ)を持つ場合、それが二重計上されるという点などから、実際よりも過大評価されるという点がありました。これらの点をある程度考慮して見る必要があります。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

非農業雇用(企業調査、total nonfarm)


そして、以下は、上記のようなアメリカの雇用状況を示す指標ですが、家計調査で集計されたデータです。手法上、正確性の面では給与名簿の方が信頼性が高いため、雇用のヘッドラインとして利用されるデータでもなく、頻繁に言及されるデータでもありません。

不法移民効果は、ここ数年のように常に大きいわけではありませんが、通常は継続的に流入しているため、そして複数の職業を持つ人もかなり多い時代であるため、一般的に前年比増減率では給与名簿企業調査の結果よりも低くなる傾向が高いです。下のチャートを見ても、最近1年間はほぼ鈍化傾向にあります。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

非農業雇用(家計調査、employment level)


また、同じ調査で調査される失業率指標も、もはや低下しておらず、底から徐々に上昇しようとする傾向が見られます。これによる「シャンペンの法則」発動問題で、数ヶ月前の7~8月頃に市場で敏感に受け止められました。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

非農業雇用-失業率(家計調査)


一方、以下は、アメリカの就業者の中で複数の職業(マルチジョブ)を持っていると答えた人の割合を示すグラフです。

今後さらに上昇する可能性も高いと思われますが、とりあえずコロナ危機後には大きく落ち込んだこの割合が、コロナ直前の水準まで回復しました。少なくとも非農業雇用(total nonfarm)におけるマルチジョブによる増加の錯覚効果は、コロナ直前の状態に戻ったため、急速に貢献できる部分はほぼ使い果たしたと言えるのではないでしょうか。追加の余地があると仮定してもです。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)

就業者における副業(multiple job holders)の割合


そして、不法移民による非農業雇用の急増効果も、6月に大統領選を控えバイデン政権が行政命令で再び国境規制を行ったことでその効果は弱まりましたが、依然としてある程度の調整は可能です。

バイデン政権による6月から開始された不法移民規制に関する以下の記事の内容を見ると、その後の国境における不法入国者を完全に阻止したのではなく、「状況に応じた規模調整」程度にとどめていることが分かります。

不法移民規制は、1日あたり1000人~2500人程度の範囲で推移するように管理する程度の方法を用いたものであり、完全に阻止したわけではないということです。(1日1000人でも、30日であれば1ヶ月で3万人と決して少ない数ではありません)

この行政命令で移民効果が突然消えるというよりは、次の政権発足まで、月間の新規雇用が約20万人前後で上下する効果を維持することを意図したものと思われます。

米国の経済格差が拡大する中、FRBが堅調な経済指標だけを支持すれば、次の景気後退はより深刻になる可能性がある(1/2)


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2024年11月23日 雑多な関心事:保護貿易/金利の新たな反応/ノーコード2024年11月23日に執筆された記事で、保護貿易、金利変動、AI、コーディング不要のウェブプログラミングなど、様々な経済および技術的な問題を取り上げています。アメリカの経済政策、金利引き下げの影響、AIの活用方法、そしてbolt.newを使ったウェブサイト作成経験を共有します。
Charles Lee
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2024年11月23日