- [トレンドとパターン] チャートで頻繁に見られるパターンー収束型三角形(またはフラッグ、ペナント)パターン
- 収束型三角形パターンなどのチャートパターン分析を通じて、米国10年物国債金利と米ドル/韓国ウォン為替レートの長期トレンド変化を予測します。ログチャート基準で、月足の高値安値と終値トレンドライン分析を通じて、今後の急騰の可能性を示唆します。
株価や金融市場指標の動向において頻繁に見られる三角形関連のパターンについて、前回は収斂三角形(symmetrical triangle)パターンについて説明しましたが。
三角形と同様に現れるもう一つの代表的なパターンが、下記の図に示されている「くさび形」(wedge)パターンです。英語ではウェッジですが、ポテトウェッジ…分かりますよね?;
二つのトレンドラインが作るバンドは、入り口から出口に向かって狭まっていく点は収斂三角形パターンと似ていますが、異なる点は、水平に収斂していくのではなく、上昇しながら、あるいは下降しながら形成されるパターンである点です。
くさび形パターンには上昇形(rising wedge)と下降形(falling wedge)がありますが、このパターンが完成した後の方向性については、「逆」に動く可能性を示唆していることが知られています。
つまり、上昇くさび形パターンは、出口が狭まりパターンが完成すると、その後下落反転を示唆する下落予兆型(bear)パターンであり、下降くさび形パターンは、完成後に上昇反転を示唆する上昇予兆型(bull)として広く知られています。
このうち、上昇くさび形は、高値が上昇し続け高値更新が続く一方で、市場関連ニュースは良いものが続き、その後パターンが完了した瞬間に下落急反転の可能性が高いため、「ブルトラップ」(bull trap)のケースとしてしばしば現れます。
一般的に、下位波動で構成される上昇形パターンで頻繁に見られる形態は、下記のような平行チャネルの形態です。短期的な高値を結ぶ上部トレンドラインと、短期的な安値を結ぶ下部トレンドラインがほぼ平行に上昇し、波動が終了すると、上下どちらにブレイクアウトするかによってその後の方向性が決まるパターンですが、このパターンもくさび形パターンと同様に、動いていた方向とその後の方向が反転する流れになるケースが多いと言えるでしょう。それでも、パターン完了後の次の方向性については、くさび形よりも流動的なパターンです。
平行チャネルパターン
しかし、このような平行チャネルで進行するのが一般的であると仮定すると、主要市場プレイヤーの一部が将来の市場または株価が悪化すると予想し、(3)または(5)地点で予想される平行トレンドラインに到達する前に、自分の保有株を売却することを考えてみましょう。
この場合、その売却の強さによって、上記の平行チャネルにおける(3)と(5)地点の短期的な高値が、平行チャネルで予想される地点よりも低くなる可能性があります。下記の図のように。
こうなると、平行チャネルは上昇くさび形に近づいていきますが、私はこのような需給上の理由がくさび形が形成される理由ではないかと考えています。したがって、上昇くさび形の場合、将来の下落反転を示唆する典型的なパターンの1つとなっています。もちろん、下降くさび形は反対の理由で反対方向です。
平行チャネル --> 上昇ウェッジパターン
そして、エリオット波動におけるa-b-c波形は、上昇方向であろうと下降方向であろうと、一時的な調整(correction)を意味するパターンです。下降方向が主要波動(impulsive wave)であれば、上昇方向に出るテクニカルリバウンドも原則としてテクニカル調整(correction)という表現を使います。
下降方向が主要方向になるほど市場の方向が変化したか、あるいは上昇/下降方向性がまだ確定していない状態では、下記のように上昇方向のa-b-c波形がよく見られます。
そして、このa-b-c波形を詳細に見ると、c波がさらに目に見えるほど詳細な波動に分割され、長く伸びる形で現れるケースがよく見られます。
この時、このc波でよく見られるのが、下記の図のようにくさび形で現れるケースです。そして、時折、同様の平行チャネルパターンの詳細な波動として現れるケースもよくあります。
上昇くさび形が現れる場合は、パターン自体が将来的な弱気を含んでいること、そしてa-b-c調整波動のc波の位置によく現れることを考慮すると、将来の方向転換の可能性が非常に高いのです。
そして、下記の図のように(1)~(5)を結ぶ延長線と(A)地点が交わらなくても問題ありませんが、交わるケースもよく見られます。
また、くさび形は必ずしも5つの下位波動ではなく、これより少ない3つ、あるいはこれより多い7つで構成される場合もあるので、少し余裕を持って観察する必要があります。
このようなa-b-c上昇方向の調整波動において、c波が複数の下位波動で構成される場合の例として、前回ご紹介した日本の日経平均株価の長期月足チャートです。下のチャートを見ると、後部はくさび形というよりは平行チャネルパターンに近いですね。平行チャネル型であっても、このような場合、上昇くさび形と同様に、その後下落反転の可能性がやや高いと言えるでしょう。
そして、下記はそれぞれ月足ローソク足チャートと月終値ラインチャートで見たドルインデックス(DXY)の過去数十年の長期的な流れです。ドルインデックスは、主にバスケットの中で最も高い比率を占めるユーロに対するドルの相対的な価値を表しているので、円ドル為替レートと比べると変動幅が小さいため、ローソク足チャートとラインチャートに大きな違いはありません。
ドルインデックス:月足ローソク足/月終値ラインチャート(ログスケール)
上記のチャートを単に見ると、「まあ、そういうものか…」と思って、それほど感動しないかもしれません。しかし、簡単なトレンドラインを追加して考えてみると、少し感じが変わるかもしれません。
下記は、上記のチャートのうち、右側の月終値を結んだラインチャートに上下のトレンドラインを簡単に追加して描いたチャートです。チャートの感じが少し違って見えますね。この大まかなパターンを見ると、2010年代半ば頃であっても、今後上部のトレンドラインを突破して上昇するだろうと予想した人が多かったのではないでしょうか。
主にユーロに対するドルの価値の影響が大きいドルインデックスもそのようなパターンで動いているので、以前の記事で紹介した収斂三角形パターンを示していた円ドル為替レートが下落するだろうという考えは、そう簡単には思えなかったでしょう。
結局、その方向へ進んでおり、しかも火は既に付いており、徐々に燃え尽きつつある可能性が高いと見なすべきでしょう。ただし、燃え尽きつつある火が完全に消えるまでが数ヶ月なのか、あるいは1~2年なのか、その期間がどれくらいになるのかが、より重要な質問になるのではないでしょうか。
コメント0