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金利引き下げ開始にもかかわらず、米国商業用不動産指数は停滞、オフィスのCMBS延滞率増加は続く

  • 作成言語: 韓国語
  • 基準国家: すべての国家country-flag
  • 経済

作成: 2024-11-19

作成: 2024-11-19 00:33

金利引き下げ開始にもかかわらず、米国商業用不動産指数は停滞、オフィスのCMBS延滞率増加は続く

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数ヶ月前までは、韓国の投資機関が米国や欧州の商業用不動産(主にビル)に劣後順位で投資してほぼ元本を失ったというニュースが時々見られました。最近は少し落ち着いているように感じます。

下記のニュースは、7月末に発表された今年の第2四半期の米国商業用不動産市場に関するニュースです。第2四半期は、高金利が続く影響により商業用不動産市場の低迷が依然として続いており、差し押さえ件数が9年ぶりの最高値を記録したという内容でした。


そして、9月のFOMCから、連邦準備制度理事会(FRB)が50bpの大幅利下げを開始し、11月にも利下げを続けています。

次の会合である12月には据え置きにするだろうというニュアンスをパウエルFRB議長が最近の講演で示唆しましたが、全体的に見て来年も利下げ基調が続くというのが、現在の一般的な投資機関の分析です。

そのため、下記の2週間前の記事は、金利水準に特に敏感な米国の商業用不動産市場も、FRBのこうした動きに合わせて反発を期待しているという見通しを伝えています。


下記は、米国と欧州地域の商業用不動産(CRE)の価格指数であるCPPIの推移を示すグラフです。

米国の場合、昨年末の11月頃から2024年中に利下げが始まるという見通しから、下落を続けていた価格が一旦ストップし、その後は小幅ながら上昇を続け、最近の3ヶ月(8~10月)は指数が停滞状態にあります。

まだ利下げの効果が時間差でCRE市場に十分反映されていないか、あるいは利下げにも大きく反応しない市場状況になっているか…どちらかでしょう。

金利引き下げ開始にもかかわらず、米国商業用不動産指数は停滞、オフィスのCMBS延滞率増加は続く

米国商業用不動産指数、出典:Greenstreet.com

金利引き下げ開始にもかかわらず、米国商業用不動産指数は停滞、オフィスのCMBS延滞率増加は続く

欧州商業用不動産指数、出典:Greenstreet.com


下記は、Trepp.comが定期的に調査し提供している商業用不動産の種類別のCMBS(商業用不動産担保ローン証券化債券)の延滞率推移を示すチャートです。

一般的に、特定資産の融資延滞率が過去にも底値からある程度まで上昇するまでは問題なく、7~8%ラインを超えると問題になるケースが多かったようです。このレベルを超えると、延滞率の上昇速度も速まる傾向がありました。

下記のチャートを見ても、最も問題になっているのはオフィス(主にビル)です。今年の夏には7%台の延滞率を徐々に超え、最新の10月データでもその延滞率は急速に増加しています。

その下の工業用不動産(industrial)も延滞率は7%近くと低くはありませんが、利下げ後には上昇傾向が一旦抑制されているように見えます。それに対し、オフィスの延滞率上昇は勢いが衰えていません。

この推移を見る限り、FRBが急速に基準金利を引き下げれば、他の種類は事態が悪化する前にある程度抑えられるかもしれませんが、オフィス(ビル)に関しては、利下げが続いたとしても、連続的な大幅利下げのような急速なペースでなければ、既に単独で低迷に向かっている状態ではないかと感じます。

金利引き下げ開始にもかかわらず、米国商業用不動産指数は停滞、オフィスのCMBS延滞率増加は続く

2024年10月商業用不動産担保債券(CMBS)延滞率(出典:Trepp.com)


金利引き下げ開始にもかかわらず、米国商業用不動産指数は停滞、オフィスのCMBS延滞率増加は続く

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