- 国内株市場が年末ラリーに向かうとしても、本当に良いことばかりだろうか?―2025年世界恐慌の可能性を考える[1/2]
- 国内株市場の年末ラリーは短期的にポジティブだが、長期的に見ると2025年の世界恐慌の可能性を考慮する必要があるという分析です。サムスン電子の株価急騰と米国株市場の調整などを分析し、今後の市場見通しに対する疑問を提起します。
.
(後編2部は、以下の1部から分かれています)
以下のチャートは、2000年代前半から現在までのGDPに対する連邦政府支出規模の割合(紫色のライン)を示したものです。
グローバル金融危機後、2010年代にはデフレ圧力が強いという理由で、金融危機以前よりも高い支出割合を維持してきました。そして、コロナ後の2022年以降も、2010年代中後半よりも高い支出割合を維持してきました。
このような高い支出割合が、高金利下でも米経済が容易に冷え込まず、同時に残存インフレも抑制されない主な原因の一つになっている可能性が高いと考えられます。
おそらくトランプ氏とマスク氏は、少なくとも就任初期には、国債発行の乱発という市場の懸念とは異なり、支出割合をバイデン政権よりも低く抑えることでインフレを抑制しようという意図があったのではないでしょうか。
アメリカGDPに対する連邦政府支出の推移
しかし、問題は、依然として強いと言われているものの、雇用などの詳細な経済データを見ると、速度を少し落とすだけで不況の懸念に転じる可能性のある流れにあるということです。
少なくともトランプ政権の初期において、インフレを抑制することを優先すると、これまで耐えてきた経済も不況に陥る可能性が高く見えます。これが懸念点であり、現在の流れではそうなってしまう可能性が高いと考えられます。
当初の意図は、就任初期に一時的に不況に陥らせてインフレを抑制し、それをバイデン政権のせいにしてから徐々に経済を回復させるというものだったのかもしれませんが、高金利の長期化によって生じたものの見えにくかった米経済の内傷が意外に大きく、意図した「不況に陥れた後のリブート」シナリオがうまくいかず、不況の再発(ダブルディップ)の可能性もわずかにあります。
一時的に不況に陥れてから回復させようとした意図が失敗し、ダブルディップに陥る場合、それが米経済発の世界恐慌につながるシナリオです…
それでは、国内株式市場の話に戻りましょう…
以下はサムスン電子の長期月足チャートです。9月上旬から外国人投資家の大量の連続売りが相次ぎ、長期トレンドから逸脱してしまいました。
単なる株価の動きに見えるかもしれませんが、このような代表的な銘柄や指数がこのような動きをする場合、過去の履歴から見て、非常に重要な前兆となることが多いです。
サムスン電子株価 月足
.
以下のKOSPI指数月足チャートでも、現在は長期トレンドラインをわずかに逸脱した位置で推移しています。
KOSPI指数 月足
KOSDAQ指数もKOSPI指数とほぼ同じ動きです。KOSDAQ指数はKOSPI指数に比べて歴史が短いので、さらに明確な動きに見えます。つまり、「長期トレンド逸脱中」という流れです。
そして、以下のKOSDAQ指数月足チャートで注目すべき点がもう一つあります。黒い蛍光ペンでやや下向きのチャンネルを描いていますが…
以前、米国株式市場について「世界恐慌の本番が始まるまでのピーク圏で、大型の長期ボックス圏」と言及したことがあります。
国内株式市場も同様です。ただし、米国は横ばい、もしくはわずかに上向きの大きなボックス圏であるのに対し、国内株式市場は弱いため、21年半ば以降、やや下向きのボックス圏が続いていると見ていました。
トランプ氏の当選確定前までは、今年年末までにそのチャンネルの下限まで一気に下落すると考えていました。KOSPIも同様の動きです。
しかし、上記でサムスン電子、KOSPI、KOSDAQの日足チャートを見たように、まずは短期的にここで支えられて反発する流れになる可能性が高くなりました。
ここで改めて考えてみましょう。
「ここで短期反発が起こり、下にあるチャンネルの下限まで行かず、年末年始にかけて反発が続くのは良いことなのか?」これは、技術的な流れに関する疑問です。
KOSDAQ指数 月足
逆に、途中で止まって力を蓄え、数ヶ月後にその中期チャンネルから逸脱するような流れになったらどうなるでしょうか。
答えがあるわけではないので、その後の見通しは各自で考える必要があります。しかし、最近のこのような動きは、私にとって「世界恐慌の本番開始時期を大幅に早めた」という話をさせています。
そのため、国内株式市場や米国株式市場で、短期的な株価上昇が年末年始頃まで、あるいはその少し後まで続いた後に勢いがなくなると…本番が始まる可能性があるので、その時点からは、2021年半ば以降現在までよりもさらに注意深く対応する必要があるということです。
国内株式市場、特に不動産市場も同様で、これまで下落相場のように思われてきましたが、まだ恐怖の下落相場は始まっていません。単に、今後の輸出や内需減退の懸念から、ゆっくりと下向きのボックス圏にとどまっている程度です。
特に、米経済関連データで「来年はインフレよりもデフレの方が心配だ」という兆候がさらに多く見られるようになれば、なおさらです。しかし、その後も証券会社は一時的な調整だと主張し、個人投資家の買いを促し続けるでしょう。
短期的に国内株式市場で反発が続いた後、その反発が終わって突然市場の雰囲気が一変したら…国内投資家は準備できているのでしょうか。中長期的な視点から考えてみました。
中長期的な投資家は、株式であれ不動産であれ、もう絶対にひっかかってはいけない相場に入っていると見ています。株式投資家であれば、国内株式市場であれ米国株式市場であれ、「ひっかかったら長期保有ではなく、明確な損切りラインを設けて」市場に対応する必要があると思います。
簡単に言うと、「なぜ為替レートは常に上昇しようとしており、ウォーレン・バフェットのバークシャーはなぜこれほど急いで過去最大規模の現金資産を積み上げているのか?」を考える必要があると思います。
KOSPI指数 日足
コメント0